こんにちは。さっぽろ矯正歯科クリニック、受付の深澤です。
矯正治療は健康保険適用外の「自由診療」となるものが多いため、治療費が高額になりがちです。
しかし矯正治療の中には、確定申告で医療費控除の申請をすることによって所得税が戻ってくるものもあります。
今回は、医療費控除の対象となる矯正治療の範囲や医療費控除の申請方法、医療費控除額の計算方法などについてお話します。
歯科矯正が医療費控除の対象となる範囲
歯並びを美しく整える審美(しんび)目的の矯正ではなく、医療行為としての矯正であれば医療費控除の対象となることがあります。
医療費控除の対象となるケースは次の通りです。
発音や咀嚼(そしゃく)・健康に影響がある場合
審美目的ではなく、歯並びや噛み合わせが悪いことで、発音障害や咀嚼(そしゃく)障害の改善を目的とした矯正治療では医療費控除の対象になる場合があります。
医療費控除を申請するためには、歯科医師から診断書をもらう必要があります。
発育過程にある子どもの矯正治療の場合
子どもの歯並びや噛み合わせの矯正は、その後の歯や顎の正しい発達・成長を促す治療行為とみなされます。
「〇歳まで」という明確な年齢の線引きはなく管轄の税務署の判断によりますが、概ね中学生くらいまでが対象とされています。
治療に通うための交通費
医療費控除の対象となる矯正治療へ通うための交通費も対象となります。
バス代や電車代など領収書が出ないものでも問題ありませんが、領収書がない場合は、いつ、だれが、どの医療機関に行ったかなどをメモにまとめておきましょう。
医療費控除を申請する際にすぐに思い出せるようにしておくのがポイントです。
子どもの治療に付き添うための大人の交通費も同様に対象となります。
ただし、自家用車で通院した場合のガソリン代や駐車場代は含まれません。
歯科矯正の医療費控除の申請方法と必要書類
歯科矯正の医療費控除の申請は、確定申告で行います。
1月~12月の1年間にかかった医療費の合計が10万円(所得が200万円以下の場合は所得の5%)を超える場合に、翌年の2月中旬~3月中旬の確定申告で医療費控除の申請をすることができます。
確定申告をし忘れてしまっても過去5年はさかのぼって申告できます。
また、生計を共にする配偶者や扶養家族がいる場合は、その家族の医療費も合算することが可能です。
ただし治療が数年にわたって行われた場合、年度をまたがって合計額を申請することはできません。
それぞれの年度で医療費控除の対象となるか検討する必要がありますので、ご注意ください。
医療費控除を受けるためには、医療費控除の明細書を作成して確定申告書と共に提出しなければなりません。
その際には下記の6点の書類が必要となります。
【医療費控除申請に必要な書類】
- ・確定申告書
- ・源泉徴収票
- ・歯科医の診断書
- ・矯正治療の領収書
- ・通院交通費の領収書
- ・医療ローンの場合はその契約書や明細書
電車やバスなど領収書が出ない交通費の場合は「日付」「乗車区間」「金額」などがわかる明細書を作りましょう。
確定申告書へ必要事項を記入して、必要書類と一緒に管轄の税務署へ提出をします。
提出方法は①郵送 ②持参 ③電子申告(e-TAX) の3種類があります。
確定申告書は国税庁のホームページで作成したり、税務署で書類をもらいスタッフの方に聞きながらその場で記入したりすることもできます。
歯科矯正の医療費控除の控除額はいくら?計算方法について
医療費控除額は次の計算式で算出されます。
「医療費控除額」 =「1年間の医療費総額」-「保険金などで補てんされる金額」-「10万円 もしくは 所得金額の5%」(いずれか少ない方の金額)
「医療費控除額」は200万円が上限です。
「1年間の医療費総額」の対象範囲は、申告する人とその人が生計を一にする配偶者、またはその他の親族のために支払った医療費となっています。
「保険金などで補てんされる金額」は、具体的には次のようなものがあげられます。
- ・療養費
- ・出産育児一時金
- ・高額療養費 ※
- ・傷害費用保険金
- ・医療保険金
- ・入院給付金
※高額療養費とは、保険証を提示して医療を受ける際、自己負担限度額を超えた分が払い戻されるものです。
まとめ
・発音障害や咀嚼(そしゃく)障害を改善するための治療としての矯正や、発育過程にある子どもの矯正治療は医療費控除の対象となります。
・1月~12月の医療費の合計が10万円を超える場合、確定申告で医療費控除を申請することで所得税の還付を受けることができます。生計を共にする家族の医療費と合算することが可能です。
・医療費控除の申請は2月中旬〜3月中旬の確定申告で行います。
・医療費控除の申請には、歯科医師の診断書、矯正治療の領収書、通院交通費の領収書(なければ明細)などが必要になります。
・年間の医療費控除額は200万円までが上限で、下記の計算式で算出することができます。
「1年間の医療費総額」-「保険金などで補てんされる金額」-10万円 もしくは 所得金額の5% のいずれか少ない方の金額
矯正治療は治療期間も長くかかり、治療費が高額になりがちですので、医療費控除を上手に使って医療費の負担を軽減しましょう。
矯正についてお悩みの方や医療費控除についてよくわからない方は、さっぽろ矯正歯科クリニックへお気軽にご相談ください!