こんにちは。さっぽろ矯正歯科クリニック、歯科衛生士の小坂です。
歯並びの悪さは虫歯や歯周病などの原因となりますが、実は影響するのは口元だけとは限りません。
歯並びの悪さは全身の健康や精神面にも影響します。
今回は「歯並びと健康の関係性について」がテーマです。
歯並びが悪いと健康へどんな影響があるのか、歯並びの悪さが原因でかかる可能性のある病気や、対策方法などについてお話しします。
歯並びは全身の健康に影響!どんな症状になる可能性がある?
歯並びは歯や顎だけではなく、全身の健康と密接な関係があります。
悪い歯並びは虫歯や歯周病になりやすいのはもちろん、体全体のバランスに影響して体調不良の原因になってしまうことも!
悪い歯並びが体に及ぼす影響には下記のようなものがあります。
虫歯・歯周病
歯並びが悪いと歯磨きがしづらいため、虫歯や歯周病になりやすくなります。
顎関節症
顎関節症とは、顎に負担がかかり顎関節(がくかんせつ)の動きが損なわれた状態のことです。
歯並びや噛み合わせの悪さは顎関節症の原因の一つです。
顎関節症が進行すると、歯並びや噛み合わせが更に悪化することもあります。
口を開けた時にカクカクと音がする、顎が痛くて口を大きく開けられないなどの症状が起こります。
口臭
虫歯や歯周病、嚙み合わせの悪化による乾燥などで口腔環境が悪化すると、口臭の原因になることもあります。
肥満の原因
歯並びが悪いと嚙み合わせも悪化することがあります。
嚙み合わせが悪いと食べ物をしっかり噛めないため、胃腸へ負担がかかるだけでなく消化吸収作用の低下も招き、肥満の原因になることもあります。
発音への影響
歯並びが悪いと舌の動きが制限され、歯の隙間から空気が漏れやすくなるため、発音に影響が出ることもあります。
頭痛・肩こり
左右の噛み合わせのバランスが悪いと全身のバランスが歪み、頭痛、肩こり、腰痛、めまいなどの原因となることがあります。
特に頭痛は慢性頭痛に発展することもあるため注意が必要です。
悪い噛み合わせで顎の使い方が偏ると、首の筋肉や動脈にも影響が出ることも。
それが血液の循環を悪くし、慢性的な頭痛につながる可能性があります。
仮性近視
仮性近視(かせいきんし)は、一時的に目の調整力が緊張して近視状態になることです。
噛み合わせが悪いと食べ物を噛んだ時の刺激が眼球を包む骨に集中してしまい、それが眼球を圧迫して仮性近視となってしまう場合があるといわれています。
仮性近視を放置していると真性近視(仮性近視が固定され、慢性的な近視になること)に進んでしまうこともあります。
精神面への影響
口元は人と話をする時に一番目に付くパーツです。
歯並びが悪いとそれがコンプレックスになり、口を大きく開けて笑えない、人と顔を合わせて話すのが嫌になってしまうなど精神面へ影響を及ぼしてしまうことがあります。
不眠症
噛み合わせの悪さがストレスとなり、自律神経を乱して不眠症につながる場合があります。
睡眠時に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群も、歯並びや顎の骨格異常による気道の閉塞、舌の配置・使い方との関連性が指摘されています。
「歯並びが悪くても、歯磨きをしっかりして虫歯や歯周病を防げていれば問題ないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、歯並びの影響は口元だけとは限りません。
歯並びや噛み合わせによって必ずこれらの病気になるというわけではありませんが、歯並びは体の色々な部分へ大きな影響を及ぼすものなのです。
歯並びを改善して健康を取り戻す対策
悪い歯並びを改善するのにおすすめなのは矯正治療です。
歯列矯正は子どもも大人も治療可能で、目立たないようセラミックブラケットや白いワイヤーを使う方法もあります。
歯面の裏側に装着する「舌側ブラケット」であれば、人に見られない部分で矯正治療を行うこともできます。
詳しくはさっぽろ矯正歯科クリニックの代表的な治療方法もご覧ください。
歯並びによって治療方法が異なる場合があり、治療方法によってそれぞれメリット・デメリットがあるため、歯科医師に相談して決めることが大切です。
矯正治療は医療費控除の対象となる場合があります。
詳しくは「歯科矯正は医療費控除の対象となる?申請方法や控除額の計算方法も」をご覧ください。
高齢者の健康対策にも歯並びが重要!
年を重ねると共に歯や歯茎の健康が衰えてしまうのは避けられないことです。
親知らずを除く永久歯28本のうち、年を重ねてもしっかり残っている歯は65歳では平均18本、80歳では平均9本といわれています。
高齢者が複数の歯を失うと、口腔内に残った歯の位置が著しくズレてしまい、特に奥歯へ必要以上に力がかかったり、逆に力を入れることができなくなったりします。
その結果、食事がうまく食べられずに健康を損ねてしまったり、噛む力が衰えることで脳への刺激が低下し認知症進行の原因となってしまうなど、思わぬ疾患を誘発することも。
8020運動(ハチマルニイマル運動)というものをご存知でしょうか。
歯科医院が推奨する「80歳で健康な歯を20本残す」という目標です。
年を重ねても健康な歯をできるだけたくさん残すことで、若々しく元気な老後を過ごすことができます。
高齢者が歯を失う原因として多いのは、虫歯と歯周病です。
たくさんの歯を健康に保つためには虫歯と歯周病を予防することが重要です。
そのためには歯磨きはもちろん、歯科矯正などで高齢になる前から歯並びをきれいに整えておくのをおすすめします。
歯の健康を整えることは、老後の元気な生活のための準備でもあるのです。
まとめ
・悪い歯並びは虫歯や歯周病だけでなく、全身の健康を損ねる原因となります。
食べ物をしっかり噛めないことや全身のバランスが歪んでしまうことによって、頭痛や肩こり、仮性近視、肥満、不眠症など全身の健康へ影響を与えることもあります。
悪い歯並びが気になって人と顔を合わせるのが嫌になってしまうといった精神的な影響も無視できません。
・歯並びや嚙み合わせが悪い場合は矯正治療で改善させることができます。
装着していることが目立たない装置もあるため、歯科医師と相談して決定しましょう。
・高齢になっても良い歯並びは健康に過ごすために重要です。
歯並びを整え虫歯や歯周病を防ぐことで、年を重ねても健康な歯を保ちやすくなります。
健康な歯がたくさん残っていることで食事も楽しめ、元気な老後を過ごすことができます。
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