こんにちは。さっぽろ矯正歯科クリニック、院長の桜田です。

 

ワイヤー矯正はさまざまな歯並びに対応できる優れものですが、装置が目立つデメリットがあります。

しかし、デメリット以上にメリットがあるのも事実です。

今回は、ワイヤー矯正について説明し、ワイヤー矯正治療やワイヤー矯正装置の種類、使用するワイヤーの種類について解説します。

 

 

ワイヤー矯正とは？その仕組みからご紹介

ワイヤー矯正とはブラケットと呼ばれる金具を歯に接着材で装着して、そこにワイヤーを通す治療方法です。

ブラケットとワイヤーを使って、歯を動かしたい方向に力を加えることで、少しずつ歯列を整えていきます。

 

ワイヤー矯正治療の種類

ワイヤー矯正は歯の表側の矯正と歯の裏側の矯正に大きく分けることができます。

 

歯の表側の矯正（表側矯正）

皆さんが矯正といえば想像する、最も一般的な治療法です。

食事や発音に大きな影響を与えず、違和感も1週間ほどで慣れる方が多いです。

適応できる症例は幅広く、効率的に治療を進めることができます。

 

歯の表側に装着するので目立つことが気になる方がいらっしゃいますが、そのような方にはより目立ちにくいセラミックブラケットや、プラスチックブラケットなど白や透明の金具があります。

 

歯の裏側の矯正（裏側矯正）

ブラケットを歯の裏側に装着する治療法です。

矯正装置が見えないことが最大のメリットです。

 

デメリットは表側矯正に比べて費用が高額であることや、治療期間が長引くことがあることです。

また、慣れないうちは滑舌が悪くなる方もいらっしゃいます。

 

歯の裏側の矯正は「フルリンガル」と「ハーフリンガル」の2種類があります。

 

フルリンガル

フルリンガルは、上下のすべての歯の裏側に金具を装着する方法です。

一回りお口の中の容積が小さくなりますので、ワイヤー矯正の中で最も慣れが必要でしょう。

 

ハーフリンガル

ハーフリンガルは、上の歯の裏側と下の歯の表側に金具を装着する方法です。

フルリンガルよりも、慣れやすいことがメリットです。

 

ハーフリンガルは、フルリンガルに比べて口の中のスペースを圧迫しにくく、装着時の違和感などの影響が軽減されます。

また、治療の効率も上がります。

そのため、フルリンガルブラケットのデメリットが減ります。

 

 

ワイヤー矯正装置（ブラケット）の種類は？

歯に装着する金具を「ブラケット」と呼びます。

ブラケットにはさまざまなバリエーションがありますので、それぞれ解説します。

 

メタルブラケット

ブラケットの中で最も一般的で安価です。

金属製なので、丈夫ですが目立ちやすいという面もあります。

 

見た目が気になる方には向いていませんが、見た目を気にしない方は最も安価に治療を受けられます。

ただし、金属アレルギーの方には不向きです。

 

セラミックブラケット

セラミック製なので天然歯に近い色や透明感があるので、目立ちにくいです。

汚れや変色に強く、見た目を良くしたい方に適しています。

 

セルフライゲーションブラケット

ブラケットにクリップやシャッターのような部品が内蔵されており、この部品によりブラケットとワイヤーを固定しています。

通常のブラケットとワイヤーは、「リガチャーワイヤ」と呼ばれる細いワイヤーで縛って固定します。

 

セルフライゲーションと通常のブラケットのワイヤーの固定方法の差は、歯が動くときの摩擦の大きさに差があります。

セルフライゲーションは摩擦が少ないので、歯の移動が速かったり、痛みの軽減が期待できます。

材質はメタルとセラミックと両方ありますよ。

 

舌側ブラケット（裏側矯正）

歯の裏側に装着するブラケットです。

「リンガルブラケット」とも呼ばれています。

ブラケットが歯の裏側に装着されているので、矯正装置が人目につかないメリットがあります。

 

しかし、表側よりも費用が高額になります。

また、治療期間が長引いたり、しゃべりづらさがあったりといったデメリットもあります。

当院の大人の矯正治療をご参考ください。

 

ワイヤー矯正装置（ブラケット）の種類については「矯正装置にはどんな種類がある？メリット・デメリットも踏まえて紹介」を参考にしてください。

 

 

矯正治療で使うワイヤーの種類も確認

ワイヤー矯正にはブラケットの種類があることは、おわかりいただいたかと思いますが、使用するワイヤーにも種類があります。

 

ワイヤーは多種多様で全てをご紹介するのは難しいため、ワイヤーの形態と材質についてご説明します。

 

ワイヤーの形態

• ・断面が丸いワイヤ
• ・断面が四角いワイヤー
• ・太いワイヤー
• ・細いワイヤー

 

以上の断面と太さの組み合わせで種々のバリエーションがあり、歯を動かす目的に応じて使い分けをします。

 

ワイヤーの材質

• ・形状記憶合金
• ・ステンレススチール
• ・チタン合金
• ・ホワイトワイヤー

 

形状記憶合金は弾力性に富み、歯列の凹凸に沿って容易にブラケットに固定できるので、治療初期に用いられることが多いです。

 

ステンレスワイヤーはどの治療段階でも用いられるワイヤーで、矯正力のコントロールを精密に行えます。

 

さまざまな形にワイヤーを屈曲することができ、屈曲の技術力＝臨床能力といっても過言ではないでしょう。

チタン合金はステンレスよりも弾力性があり、屈曲もできるので、治療後半の仕上げに用いられることが多いです。

 

ホワイトワイヤーは審美性をさらに高めるために開発されたワイヤーです。

単純にワイヤーに白い材料をコーティングしたものや、メッキをして白銀色にしたものなどがあります。

ただし、単純にワイヤーに白い材料をコーティングしたものは2カ月ほどでコーティングがはがれてしまう印象があります。

メッキは真っ白ではありませんが長持ちし、臨床応用が幅広いので有用と感じます。

 

歯科矯正医は、歯並びやかみ合わせの状況に応じてワイヤーを選択し調整します。

治療の内容によってはワイヤーを交換せずに、同じワイヤを微調整して歯を動かすこともあります。

場合によってはそのままにしておくこともあります。

「ワイヤーを交換しなくてもいいの？」と思われる方もいらっしゃいますが、ご安心ください。

 

以上のように、一言でワイヤー矯正といってもブラケットやワイヤーの種類は多岐にわたります。

 

歯並びやかみ合わせ、患者様の要望や体質（金属アレルギーなど）などを総合的に判断して、歯科医師とベストな治療方法を探してください。

 

 

ワイヤー矯正装置やワイヤーの種類にはさまざまなものがある

ワイヤー矯正とは、ブラケットと呼ばれる器具を歯に装着し、そこにワイヤーを通す治療方法です。

 

ワイヤー矯正治療の種類には、歯の裏側の矯正と表側の矯正があります。

 

また、ワイヤー矯正装置には、メタルブラケット、セラミックブラケット、セルフライゲーションブラケット、舌裏ブラケット（裏側矯正）などの種類があります。

 

使用するワイヤーにもさまざまな形状や材質のものがあります。

 

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